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選択した講義科目の内容です

2026
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講義科目名称 :
関係学
英文科目名称 :
Relationship Studies
授業コード :
20303050 
開講期間 配当年 単位数 科目必選区分
前期  2年  2  IDコース必修 
担当教員
山﨑スコウ 竜二/七沢 智樹/水上 篤 
区分  科目番号  曜日・時限    
      木曜 3限  場所:C102 
添付ファイル
対象学生
国際政策学部
授業の目的
関係性といったらバイト先の対人関係?たぶん大事なテーマでしょう。恋愛?それもあるかもしれませんね。愛の対象、「所有したいと思う相手」、これらは単なる物だといえば反発があるでしょうか。そうではなく、私たちが愛する相手はいのちある物あるいは身体(corps animé)なのだとしたら、私たちの身体との関わり方が主題化されてきます。この点について、ある哲学者は次のように語ります。

「身体に与えられる重要性、愛の諸々の矛盾は、他者にとっての対象〔客体〕であると同時に私にとっての主体でもあるというような、私の身体の形而上学的構造:la structure métaphysique de mon corps)に基づくより一般的なドラマと結びついている」(『知覚の現象学』、M.メルロ=ポンティ)
「形而上学――自然の彼方にあるものの出現――は、認識の水準に局在しているものではなく、むしろ〈他者〉への開在性とともに始まる」(Ibid.)

愛とともに始まる形而上学?それは感覚を超えて、思考することでしょうか。でも、私たちは考えて人を愛するのでしょうか。そうでないのなら、私の身体によるドラマを再発見しなければなりません。
身体とは何で、それによってどのような関係性が私たちに与えられているのか、またポテンシャルとしてどんな〈他者〉への開かれ方があるのかを考える課題があります。私たちが関わるものや所有しようとするものは人だけでなく、物もあって〈他〉の多様性があります。身体性の再発見を着眼点として持ちながら、人や物との関係性をめぐる対話の旅に出てみましょう。

本授業は「人と物、身体の関係性」をめぐって多角的に検討する「関係学」です。作ること、制作の知に関わる創発デザインコースや技術との付き合い方のベースとなる、物との豊かな関係性や相手を慮る倫理について考え方を鍛えることを目指し、参加者一同がしなやかな発想を培う目的があります。

たとえば「私の身体」って物なの?顔って誰のもの?人類は誰のためにお化粧するの?「(なぜか)服を着る・作る私」のように〈見るもの〉と〈見えるもの〉ってどんな関係にあるのかしら?そんな問いをみなさんで一緒に考えます。関係性をめぐる不思議を見つけるため、アイデアを出し合い、ワークと対話を通して〈私〉の脆さや傷つきやすさ、しなやかさを読み解きます。
学士力A
社会変革力
学士力A(ウエイト)
学士力B
批判的思考力
学士力B(ウエイト)
学士力C
 
学士力C(ウエイト)
 
学士力D
 
学士力D(ウエイト)
 
学士力E
 
学士力E(ウエイト)
 
学士力F
 
学士力F(ウエイト)
 
学士力G
 
学士力G(ウエイト)
 
学士力H
 
学士力H(ウエイト)
 
到達目標No.1
人間が対象をただ眺め見るのではなく身をもって社会に「生きる」こと、そのダイナミズムに着眼する視点から、人と人、物、身体がどのような関係性を織りなしているのか、ということについて授業で題材を見つけて議論できるようになる。
到達目標No.1(学士力対応)
A
到達目標No.2
人と人、物、身体に加えて、技術がそれらにどのような関係性や影響を持ちうるのかを議論し、技術を用いた新たな関係性の構築に向けた提案(技術の開発や応用、政策などの幅広い提案を含む)ができるようになる。
到達目標No.2(学士力対応)
B
到達目標No.3
人と人、物、身体をめぐる議論や各自の提案について、倫理的な観点から批判的に思考し、議論できるようになる。
到達目標No.3(学士力対応)
B
到達目標No.4
 
到達目標No.4(学士力対応)
 
到達目標No.5
 
到達目標No.5(学士力対応)
 
成績評価の方法
評価の方法 割合(%) 評価の基準
到達目標No.1 20% 授業参加姿勢
到達目標No.1 40% レポート、プレゼンテーション
到達目標No.2 20% レポート、プレゼンテーション
到達目標No.3 20% レポート、プレゼンテーション
合計 100%
授業の方法
ワークや対話を中心とした体験的学習、アクティブラーニングを積極的に取り入れます。関係性をめぐって身体論や所有論のテーマが入り、時にやや難しい概念的なものが入ることがありますが、それらをわかりやすく、かつ固定観念を乗り越えて斬新で柔軟な発想から関係性の理解を更新していくため、世界の第一線で活躍される外部講師(ダンサーや映像作家、身体知研究者、臨床哲学者ら多彩なゲスト)を招き、受講者の対話を促しながら授業、探究を進めます。

本授業は、教員と学生の協創の場になります。教員が決めたことをするだけの授業に飽き飽きした人にお勧めです。
受講に際して・学生へのメッセージ
本授業では、一般的に言われていることの受け売りではなく、履修者が自ら問題そのものを自身で考え直し、問題を再設定する能力を育むことがもっとも重要です。積極的に履修後も考え続けたいと思えるような課題発見を目指してください。
教科書
テキスト  
参考書 『老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉:ダンスのような、介護のような』、砂連尾理、晶文社、2016
テキスト  
参考書 『臨床哲学への歩み』、西川勝、ハザ、2024
テキスト  
参考書 『ひとはなぜ服を着るのか』、鷲田清一、ちくま文庫、2012
テキスト  
参考書 『所有論』、鷲田清一、講談社、2024
テキスト  
参考書 『知覚の現象学』、M.メルロ=ポンティ、みすず書房、1967(Phénoménologie de la perception, M. Merleau-Ponty, Gallimard, 1945)
授業計画の概要
1
タイトル 挨拶・別れ:諦めの悪さ 
授業内容 イントロダクション:本授業の問題意識、目的、概要について説明します。また、コミュニケーションの種類を考え、履修者同士が身体を動かしたワークを通して関係性というものについて考え始めます。以下、各回の授業で考える事柄の例を示します。 
事前学習 Google Classroomに参加する。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
2
タイトル 存在の支え:『走れメロス』 
授業内容 対人関係の現場、inter-being(間に-あること)、〈待つ-待たれる〉関係の意味を考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
3
タイトル 信頼:ケアの関係性(ダンスのような) 
授業内容 人はなぜ(人や何かを)ケアするのでしょうか。ケアする人(homo curans)の現場と本質について議論します。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
4
タイトル 所有という概念:propertyとは何か 
授業内容 あなたの身体は誰のものなのでしょうか。物の所有との関係を併せて考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
5
タイトル personという概念:両義性としての身体 
授業内容 あなたという人(person)も所有の対象になりうるのでしょうか。所有しきれないものの意味を考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
6
タイトル 関係の力学:自己と他者の磁場 
授業内容 愛憎や妬みのように人のまなざしはなぜ他者との関係のなかで歪ませられてしまうのでしょうか。価値の比較が孕む問題について考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 教員が指示した課題に取り組む。 
7
タイトル 視線/映像:アイデンティティと承認 
授業内容 自分が見ていると思ったら、見られていたので顔を赤らめる。そんなまなざしにおける主体と客体の関係性について考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
8
タイトル 不安:関係性の純粋さ 
授業内容 伝統などの外的な基準によらず「一緒にいたい」から取り結ぶ近現代の関係性が「意のままに」終わらせられることの意義を考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
9
タイトル 自由:得たものと奪われたもの 
授業内容 因習などのくびきを絶って私たちが手に入れた自由とは何か。なぜ私たちは地域やコミュニティに回帰するのか、それらの概念や現代的意義を考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
10
タイトル 顔の倫理:傷つきやすさと責任 
授業内容 (特に現象学的な)倫理的な観点から、あらためて出会いの意味、物のデザインの意味を考えます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
11
タイトル ホスピタリティ:発酵と場の醸成 
授業内容 歓待とは何でしょうか。ホテルの接客?対人関係の究極?客人を主人として迎え入れることによる、自己の崩れのリスクと意義について批判的に議論します。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
12
タイトル 創発:物とのコミュニケーション 
授業内容 物との豊かな関係性に思いを巡らせます。物と心を通わせる?そもそも物に心はあるのか?ほんとうに人は物ではないのか?あらためて話し合います。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
13
タイトル 変身・改造:技術との付き合い方 
授業内容 人と物が一体化した存在の歓待、技術の発展に伴うこれからの自由のあり方について議論します。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
14
タイトル 技術と価値:Gelassenheitとは何か 
授業内容 技術の本質をめぐる哲学とともに技術と私たちとの関係性を考えます。人さえも制御の対象とする技術のあり方に対して、尊重されるべき価値とは何かを考え、これからの技術との関わり方について話し合います。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 授業内容に関連する事柄について参考書等を読み、各自調べるとともに、教員が指示した場合は課題に取り組む。 
15
タイトル 発表 
授業内容 履修者自身で考えて選び、グループとして自分たちで考えたこと、あるいは他の人に考えさせる(アート)作品のどちらかを発表してもらいます。 
事前学習 教員が指示した場合は課題に取り組む。 
事後学習 最終レポート課題に取り組む。 
実務経験のある教員による授業科目の概要
 
備考
授業の連絡には、Google Classroomを用います。下記コードで参加してください。
クラスコード:ae3cvvft

上記の各回の授業内容は計画の一部であることに加えて、授業の進め方は履修者からの応答を考慮してとともに作り上げるスタイルを目指すため、対話を通してスケジュールと内容を適宜調整します。

グループワークでは、各自のノートPCを用いて資料を作成する場合があります。指示があった際は、持参してください。

なお、授業では頭の体操だけでなく身体を使って体操することがあるので、毎回できるだけ動きやすい服装で参加してください。